2009年11月15日日曜日

コンテンツ文化史学会2009年大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」

来る28日(土)にコンテンツ文化史学会の大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」が開催されます。要約すると「皆さん、ぜひとも来てください」という文章が下記になります。

自分自身はネット上の長い文章を読まず、「続きを読む」を絶対にクリックしない人間だというのに、自分で読まない縦長のエントリーを吐き出してしまいました。反省しています。



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http://www.contentshistory.org/2009/11/15/581/

さて今月28日(土)に本学会の第一回大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」が開催されます。私自身は当日裏方としてどたばたしているでしょうが、アマチュア文化については門外漢なので(買うばかりです)少しは事前に勉強でもしたいと考えております。しかし、コミティアが開催されている日にこうして更新しているという矛盾が・・・。以下、文責は玉井にあります。当日、「違うじゃないか」と思われても、それは発表者ではなく、玉井にあります。

今回の大会の登壇者はまず学術系として吉田正高会長(司会)、樺島榮一郎さん、七邊信重さん、中村仁さんにお話いただきます。

樺島さんには、アマチュア文化全般的な様相や流通構造、流通プラットフォーム・ゲートキーパー、それからアマチュアクリエーターのキャリアパスなど音楽・マンガ・ゲームなどでお話いただけると思います。七邊さんは本学会の会誌創刊号にも論文「同人・インディーズゲーム制作を可能にする「構造」 ― 制作・頒布の現状とその歴史に関する社会学的考察 ― 」が掲載されておりますが、同人ゲーム研究者として日本では随一の方です。七邊さんはアマチュアゲームの現状や今後の展望、作品が生み出されていくプロセスなどについてお話いただけると思います。続けて中村さん。こちらのブログにも書かれておりますように東京大学にてファッションの講義をされている方です。ファッションには疎い私ですが、東京ガールズコレクションなどを筆頭に様々な場を調査され、またクリエーターや企業の方をインタビューされているようなのでアマチュア文化としてのファッションの現状と展望をお話いただけると思います。

普通の学会ならば学術系からのお話でお仕舞いですが、今回はすごい。素晴らしい。学術系の発表の後にパネルディスカッションが開かれます。以下、お話いただく順番とは別に五十音順でご紹介します。

まずは有馬啓太郎さん『月詠』や『うりポッ』など商業作品の大ヒットでも有名ですが、サークル「日本ワルワル同盟」の主宰として同人活動もされております。特にプロでもありアマチュアの場でも活躍されている有馬さんの実体験から同人誌即売会でのリアルコミュニケーションなどをどのように捉えているのか、を語っていただけると思います。続けてコミックマーケット準備会共同代表である市川孝一さん。コミックマーケットというアマチュア文化の象徴のようにメディアで語られる「場」を構築してきた方から、その意義や目的などを語っていただけると思います。

マイスペース株式会社マーケティング・ソリューション部エグゼクティブ・プロデューサーである後藤匡さん。特に音楽配信などで有名なマイスペースですが、SNSという場を介してアマチュアクリエーターがどのように交流しているのか、従来から続くアマチュア音楽文化との違いや今後の展望などについて語っていただけると思います。そして株式会社ファンワークス代表取締役社長である高山晃さん。特にフラッシュアニメ「やわらか戦車」、「くわがたツマミ」などで有名なファンワークスですが、ネット上でのアマチュアクリエイタ―達との交流を通じ、プロへの新たなキャリアパスやネットアニメ文化への展望などについて語っていただけると思います。そして最後は株式会社虎の穴代表取締役社長である吉田博高さん。特に同人誌販売で有名な「とらのあな」ですが、同人誌を販売・流通する専門店として意義と目的などについて語っていただけると思います。

というわけで一見するとアニメ・ゲーム・ファッション・マンガ・音楽などバラバラな文化を取り上げるという印象を受けますが、今回のテーマはアマチュア文化!そして、そのアマチュア文化の「場」!の2点に集約されると思います。

クリエーター側としてアマチュア文化の「場」で活動すること、そしてその「場」を維持し、運営していくこと。さらにはそこで生まれてきた文化を(商業・同人問わず)流通させていくこと。この3つの側面をそれぞれのジャンルの垣根を越えて今回語り合うことができるというのは、今後のアマチュア文化研究において一石を投ずることになるに違いありません。また「文化史」の学会でもあるので、今日的な意義だけではなく、従来からの変容や今後の展望にまで踏み込んでいくことになるでしょう。

文化的にも産業的にも最早、無視することが不可能となったアマチュア文化というのも総体として今一度見つめなおし、今後の展望を皆さんと一緒に考えることができると思います。会員の方も、非会員の方もぜひともご参加ください。お待ちしております。

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